冬桜

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待てよ。えっと、確か… 「ちいちゃん。売店って会計の奥だったよね?」 「待って!おにいちゃん。」 廊下に一歩踏み出したところで、小さな体がすっ飛んできた。 「あのね。今日からお店、違うとこになったの。ぼく、つれてってあげる。」 まるで自宅を案内するかのようにすたすたと先導していく。 「お店のおばちゃんに月曜日から場所かわるよって言われてたの。わからないと迷子になっちゃうでしょ。」 自慢気に話すのを、お前ん家かよと内心笑った。
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