冬桜

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駐車場に車を停められた時には、時計の針は真っ直ぐから右に傾いていた。 「お昼過ぎちゃったわね。退院手続き済ませたらどこかで食べましょ。」 休み明けの月曜日のロビーも道路同様、午後の診察を待つ患者で混雑していた。 「病室は三階だったよね。」 人の波を掻い潜り、母の言葉を待たずに行列のエレベーターの横をすり抜け、一気に階段をかけ上がる。 えっと、302号室に移ったんだっけ… 昼時の廊下は各部屋から食事の匂いが漂ってくる。 お腹空いたな… 味気のない病院食とはわかっていても、育ち盛りには食欲をそそる十分な刺激になる。
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