1 壮汰

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「ただいま。」 鍵を開けてつぶやいた。 2階の自分の部屋に入り どさりとスクールバッグを床に起き、 ふと散らかった机の上を見ると カッターが目についた。 心臓が早鐘を打ち始めた。 夏休みが終わってから 脳裏にぼんやりと浮かび始めた 「死」という文字が迫ってきたからだ。 なにもうまくいかない。 いいこともない。 死ねばつらいことから逃げられる、 きっと楽になれる。 俺はカッターに手を伸ばした。
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