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ランチをとりながら、それぞれ、簡単な自己紹介を始めた。
西洋人形は、食べ歩きが趣味の女子大生で、(私より2つ年上だった…)自身をカトリーヌと名乗っているが、おそらく偽名だろう。
「好きな食べ物ですか?やっぱり、あん肝ですかね…ウフフ。でも私、基本的に好き嫌いはないんですよ。食後のデザートがとっても楽しみだわ!」
雷が苦手な、写真好きの少女は、鳥澤を気に入ったらしく、今も隣の席に座っている。
活動的なTシャツに、迷彩柄のショートパンツ。
首から一眼レフカメラをぶら下げている。
そんなスタイルとは裏腹に、色白で線が細く、病弱そうな美少女。
つまり、鳥澤楓の好みそうなタイプの少女である。
絶対、心の中で鼻の下を伸ばしているはずだ。
「鳥澤さんて、背が高いんですね。モデルさんみたい。」
石山と名乗る少女は、上目使いに鳥澤を見る。
「170近くあるからね。色気ないでしょ。」
「そんな事ないですよぅ。絶対、写真撮らせて下さいね?約束ですよ。」
ああ、見てらんない。
私はこの中でも一番マトモそうな、芦原と会話する事にした。
芦原は確かに、この洋館に詳しい。
必要以上に。
「貴女、ただの休暇でここを訪れたって感じじゃないわね。」
私がそう言うと、彼女はにやっと笑う。
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