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「あっ、そうだ!テレビ見ようよ、テレビ!」
鳥澤が場違いな明るさで提案する。
陽気なお笑い番組でも見れば、恐怖心が吹き飛ぶと思ったのだろうが、管理人はさらに追い討ちをかける。
「申し訳ありませんが、お客様に世間を忘れてゆっくりくつろいでいただけますよう、そういった物は置いていないのでございます。」
「ええっ!!テレビないの?」
鳥澤は目を丸くして驚く。まあ、こういう場所にはありがちな配慮だ。
「ラジオならございますが…」
「いいよ、もう!」
鳥澤はティーカップを乱暴に置くと、立ち上がる。
「あっちに遊技室があったよね?カトリーヌちゃん、ビリヤード出来る?」
「えっ?あっ、はい。」
カトリーヌは突然指名されて驚く。
「遊んでれば嫌なこと忘れるって。三神はどうする?」
「私は結構よ。せっかくだから部屋で休ませてもらうわ。」
私は皆に会釈して立ち上がると、2階に与えられた自室に向かった。
長旅での疲れもあり、ベッドに入るとすぐに眠りに落ちた。
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