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嵐の洋館は、陸の孤島のようだ。
人との関わりを避けてきた僕にとっては、おあつらえ向きな場所。
燦々と降り注ぐ太陽の下よりも、どんよりと曇った空が好きだった。
さっきの雷は傑作だったな!
「結城様。お食事の準備が整いましたが…。」
ドアがノックされ、薄く開かれる。
うっかり鍵をかけ忘れていた。
「あんな騒がしい人達と一緒はやだよ。悪いけど、部屋でとりたい。」
僕は慌ててベッドに潜り込んだ。
「それは構いませんが…具合でも悪いのですか?」
「そうだよ!悪いけど、食事はドアの前に置いててくれないかな!」
管理人はドアを閉めると、階段を降りていった。
…見られたか?
いや、大丈夫だろう。
僕はベッドからゆっくりと這い出る。
そう、あのカードはどうしたかな。
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