蜥蜴

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丸いアーチを描く窓から、外を眺めた。 降りしきる雨。 森全体が沈黙を守っていた。 なんて素晴らしい世界。 やはり、勇気を出してここへ来て良かったな。 ふと、鏡台が目に入る。 紺色のブレザーの、病弱そうな少年が、僕を見つめていた。 結城優(ゆうきすぐる)。 僕は彼を殺すために、ここへやって来た。
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