13人が本棚に入れています
本棚に追加
「このルールには不可解な事だらけだわ。それに、このカード。」
赤いカード。
蝮(マムシ)だろうか。とぐろを巻く蛇の絵が描かれている。
また、蛇か。
私はどうやら蛇に縁がある。
カードを裏返すと、文字が書かれていた。
『手足をもがれ、醜く地面をはいずり回る、罪深き者――マムシは猛毒を持つ。』
「罪深き者、ねぇ。蛇は爬虫類…爬虫類は鳥類を攻撃出来ないのよね。」
私の言葉に鳥澤は首をひねる。まだよく理解していないようだ。
「鳥澤。貴女のカードを見せて?」
自分でそう聞いておきながら、私は一瞬、考え込んだ。
"鳥澤のカードを見てしまって良いものだろうか?"
「どうしたの?」
素直にカードを差し出す、鳥澤。
私は躊躇する。
「やっぱり…見ない。」
「ああ…。」
鳥澤は気がつき、頭をかいた。
「いいよ、見ても。三神はこういうの得意だろ?むしろ、見て色々助言してくれると助かる。」
前回のゲーム。
カードが命を左右した。
だから、そんな気軽に他人の目にさらしてはいけない…そう思う。
最初のコメントを投稿しよう!