蝮と蝙蝠

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「このルールには不可解な事だらけだわ。それに、このカード。」 赤いカード。 蝮(マムシ)だろうか。とぐろを巻く蛇の絵が描かれている。 また、蛇か。 私はどうやら蛇に縁がある。 カードを裏返すと、文字が書かれていた。 『手足をもがれ、醜く地面をはいずり回る、罪深き者――マムシは猛毒を持つ。』 「罪深き者、ねぇ。蛇は爬虫類…爬虫類は鳥類を攻撃出来ないのよね。」 私の言葉に鳥澤は首をひねる。まだよく理解していないようだ。 「鳥澤。貴女のカードを見せて?」 自分でそう聞いておきながら、私は一瞬、考え込んだ。 "鳥澤のカードを見てしまって良いものだろうか?" 「どうしたの?」 素直にカードを差し出す、鳥澤。 私は躊躇する。 「やっぱり…見ない。」 「ああ…。」 鳥澤は気がつき、頭をかいた。 「いいよ、見ても。三神はこういうの得意だろ?むしろ、見て色々助言してくれると助かる。」 前回のゲーム。 カードが命を左右した。 だから、そんな気軽に他人の目にさらしてはいけない…そう思う。
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