蝮と蝙蝠

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『光に嫌われし蝙蝠は闇の中で生きる。』 「なんだか笑えないねぇ。」 鳥澤の顔がひきつる。 闇の中で生きる――まるで、彼女自身の事を暗示しているみたいじゃないか。 ならば、蛇は。 地面を這いずりながら、醜く生きる――確かに、私は望まれて産まれてきたわけではないが。 今だって、父親に疎まれつつも生きている。 それが、どうしたと言うの? 私には、生きる権利があるんだ。 誰にも、邪魔はさせない。 そうよ。…それで、いいの。冷静になれ。頭を使え。神経を研ぎ澄ませ。 醜くとも、生きるんだ。 「三神?」 急に黙りこんでしまった私を、鳥澤が心配そうに、のぞきこむ。 「ごめん、大丈夫よ。…確認するわね。この洋館には現在何人いる?」 「管理人を含め、9人だな。…いや、10人。」 上出来だ。バスの運転手の死亡を、直接確認したわけではないから。 「管理人は、ゲーム参加者かしら?確認を急ぎましょう。それと、貴女、今回の事を予測して、私についてきたの?」 やはり、偶然とは思えないのだ。 このツアーに、鳥澤楓が参加していた事が。
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