13人が本棚に入れています
本棚に追加
『光に嫌われし蝙蝠は闇の中で生きる。』
「なんだか笑えないねぇ。」
鳥澤の顔がひきつる。
闇の中で生きる――まるで、彼女自身の事を暗示しているみたいじゃないか。
ならば、蛇は。
地面を這いずりながら、醜く生きる――確かに、私は望まれて産まれてきたわけではないが。
今だって、父親に疎まれつつも生きている。
それが、どうしたと言うの?
私には、生きる権利があるんだ。
誰にも、邪魔はさせない。
そうよ。…それで、いいの。冷静になれ。頭を使え。神経を研ぎ澄ませ。
醜くとも、生きるんだ。
「三神?」
急に黙りこんでしまった私を、鳥澤が心配そうに、のぞきこむ。
「ごめん、大丈夫よ。…確認するわね。この洋館には現在何人いる?」
「管理人を含め、9人だな。…いや、10人。」
上出来だ。バスの運転手の死亡を、直接確認したわけではないから。
「管理人は、ゲーム参加者かしら?確認を急ぎましょう。それと、貴女、今回の事を予測して、私についてきたの?」
やはり、偶然とは思えないのだ。
このツアーに、鳥澤楓が参加していた事が。
最初のコメントを投稿しよう!