13人が本棚に入れています
本棚に追加
「こういう状況下だから、話してもいいかな。…答えは、半々てとこ。あたしは、組織の命令で、確かにあんたを尾行してた。…だけど、奴等がこんな方法でやってくるとは予想もしていなかった。」
やはり、あの事件は終わったわけではなかったのか。
「信じるわ。…貴女、ずっと私を見守っててくれたのね。…ありがとう。」
「あはは。三神にバレたら怒られると思ってた。まあ、組織はあくまで、あんたに見つからないようにやれって言うからさ。」
成程ね。
時々彼女に似た人間を町で見かける事があったことは、黙っていよう。
今思えば、私がらしくもなくこんなツアーに参加したことだって、奴等の思惑にはまったからなんだろう。
自分の甘さが憎い。
「急ぎましょう。管理人室へ行くわよ。」
確か、食堂の隣だったはず。用がある時は声をかけて下さい、と言っていたっけ。
私と鳥澤は、静かに階段を降りた。
最初のコメントを投稿しよう!