蝮と蝙蝠

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「こういう状況下だから、話してもいいかな。…答えは、半々てとこ。あたしは、組織の命令で、確かにあんたを尾行してた。…だけど、奴等がこんな方法でやってくるとは予想もしていなかった。」 やはり、あの事件は終わったわけではなかったのか。 「信じるわ。…貴女、ずっと私を見守っててくれたのね。…ありがとう。」 「あはは。三神にバレたら怒られると思ってた。まあ、組織はあくまで、あんたに見つからないようにやれって言うからさ。」 成程ね。 時々彼女に似た人間を町で見かける事があったことは、黙っていよう。 今思えば、私がらしくもなくこんなツアーに参加したことだって、奴等の思惑にはまったからなんだろう。 自分の甘さが憎い。 「急ぎましょう。管理人室へ行くわよ。」 確か、食堂の隣だったはず。用がある時は声をかけて下さい、と言っていたっけ。 私と鳥澤は、静かに階段を降りた。
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