蝮と蝙蝠

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「はい。夏の間はこうやって建物の管理を任されておりますが、数年ほど前からオーナーが変わりまして。宿泊施設としてオープンしましたが、実際、あの事件を知っている方たちは影で何を言っているか分かりません。」 それはそうだ。 マトモな人間なら、殺人事件があった場所になど、近づきたくもないはず。 もちろん、事件が風化した今、そんな事とは知らずにやってくる客もいるだろう。 「ところで。」 本題に入る。 大事なのは、そんな昔話ではなく、現在おかれている状況だ。 「管理人さんの所に、何かカードのようなものは届きませんでしたか?」 「カード?知りませんね。…それが何か?」 本当に知らないのか、知らないふりをしているのか。 しかし、彼がここにいるということは、ゲームに無関係ではないはず。 「そうですか…。では、"女神の口"と"アトリエ"という言葉で思い当たることは?」 「女神は分かりませんが、アトリエならここにありますよ?絵を描かれるんですか?」 私と鳥澤は目線をかわす。 「絵は描きませんが…アトリエを見せてもらっても?」 管理人は場所を教えてくれた。鍵はかかってないと言う。
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