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「この洋館はね、別名を奇人館と呼ばれているの。」
芦原(あしはら)と名乗る少女は私達の顔を見回すと、そう言った。
突然の嵐で、どこにも行けない私達は結局建物の中に籠るしかない。
部屋に荷物を置くと、遅いランチをとるために食堂に集まった。
建物こそ古いが、家具や装飾品はきちんと手入れがされていて、食器などは女の子が喜びそうなアンティークなものが多い。
「このティーカップ、可愛い!砂糖壺も可愛い!」
一人、きゃあきゃあ騒ぐ少女は、自身も西洋人形のように着飾っている。
おそらく、私とそう年も変わらないだろうが、趣味は明らかに違う。
それぞれが適当な席に座り、物静かな館の管理人のおじさんから紅茶が配られると、しん、とした食事が始まった。
鳥澤は珍しく黙ったまま、みんなの様子を眺めている。
そんな時、突然口を開いたのが、芦原という少女だった。
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