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すると夏文先輩は鬼龍院の耳元で何かをささやいてからアルマ先輩のもとへ近寄る。おそらく財布代わりになることを素直に認めたのだろう。
「ちわっす。ドイツはどうだった?」
「一週間しかいれなかったが楽しかったよ。一年ぶりだったからな」
「そいつはよかった。あとで土産話でも聞かせてくれよ」
「かまわん。全員の土産も買ってきたからそのときに渡そう」
同じ三年生でクラスメイトであるためか夏文先輩と普通に話している。クイズ研究部の部員である俺や鬼龍院にも優しいがあくまでも後輩としてだろう。
まあでもこれで四人全員がそろった。
クイズ研究部ことQ部の部長である、ドイツ人の高校三年生のアルマ・バリッシュ。
同じく三年生で副部長を務める美魚夏文。
それから俺がクイズを始めるきっかけをつくった、一年生の鬼龍院万里。
そして最後にこの俺。魚崎秋彦だ。
この四人がQ部のメンバーなのだが……先輩たちや鬼龍院の容姿がいいせいか、ときどき虚しくなってくる。
「さて、そろそろ本題に入るぞ。事前に連絡したと思うが、今日は高校生クイズ大会予選に出場するメンバーを決める」
アルマ先輩が肩にかけていたカバンを下ろしながら言う。そのときに前かがみになったため、よく育ったメロンくらいの大きさの胸が零れ落ちるように強調される。
うおっ!?
さすがにどきりとしたがすぐに我に帰り目を背ける。凝視してたらなにをされるかわかったもんじゃない。
「どうかしたか?」
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