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「でも、この大会は確か一つの学校から複数のチームの参加も認められているはずです」 「ダメだよ。この学校の校則では部活として出場じゃない限り大会には出れないの」 鬼龍院が俺の顔を見ながら校則の解説をする。普段は厳しい校則などない海鈴学園なのだが大会に関しては違うようだ。勝手に参加して評判が下げられるのを避けるために作ったのか。 「なにを浮かない顔をしてるの。これはチャンスだよ。せっかく努力をしたのに挑戦もせずにあきらめる気? もしまた弱気なところを見せたら、今度から君のあだ名はドジョウ君にするよ」  あれ? もしかして励まされてる? そして何度も思うがなぜ、ドジョウなんだ? 「……悪い、ちょっとだけ弱気になってた。もう大丈夫だから」 俺は夏文先輩とアルマ先輩の方へと向いて静かに言い放つ。 「わかりました、やります。やるからには勝たせてもらいますよ」 「ははは、言うじゃないか。オレもがむしゃらに目標を追いかけてた三年間を無駄にしたくないんでね。一年には負けねぇよ」 俺と夏文先輩は向き合ってお互いに相手を睨(にら)みつける。そんな俺たちを見ながらアルマ先輩はかすかに笑みを浮かばせながら口を開く。 「双方ともやる気満々だな。試合形式は早押しクイズで行う。3ポイント先取した方の勝ちだ。異論は?」 『なし!!』  二人同時に言い放った。メンバー争いの始まりの合図だった。 
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