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鬼龍院は俺の答えを遮(さえぎ)って、フフフと笑うと俺に人差し指を向けてきた。 「それは君が今まで頑張ってきた証拠だよ。だから適度に残ってた方がいいよ。もちろん緊張しすぎるとさっきの君みたいにパニックになるけどね。私もハイジャンやってたときは緊張を適度に残してた。」 「頑張ってきた証拠……」  言われてみれば緊張は、頑張れば頑張っただけするかもしれない。だから俺は、いくら努力しても失敗してばっかりだったのか。適度に緊張を落とすなんて当時は考えてもみなかった。 「そろそろ時間だね。いこっか! 対決が始まればそれ(緊張)は自信に変わるよ」 鬼龍院は振り向きながら笑うとドアに手をかけ、スライドする。 鬼龍院が部屋を出るのを見ると、俺は一回だけ深呼吸してから呟いた。 「さてと、逆転劇の始まりだ」
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