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  4  俺たちは部室に入った。やっぱりというか当然なのだが、部室には二人の先輩が悠然と立っていた。  俺と鬼龍院が所属しているQ部の部長で、ドイツ人女子高生のアルマ・バリッシュ先輩と副部長で現在メンバー争いで俺と対戦中の美魚(みうお)夏(なつ)文(ふみ)先輩だ。ちなみに二人とも三年生で美男美女。 「そろそろ再開するがかまわないか?」  アルマ先輩は腕組みをしながら問いかけてきた。……なんでこの人はよく腕を組むんだろう? 直視したら怒るし、その強調される胸をなんとかして欲しい。 「ええ、大丈夫です。いつでもいけます」 「わかった」  短く答えると、アルマ先輩は鬼龍院に近づいて、入室時からずっと持ってた一冊のノートを差し出す。 「なんでしょうか?」  俺もわからなかったが鬼龍院にもわからなかったらしい。  アルマ先輩は少しだけ笑みをつくりながら、その小さな口を開く。 「おまえたちが入ってくるまで私は夏文と一緒にいたからな。決して夏文に出題する問題を見せてはいないが、ここから先は万里が出題してくれ。この方がそっちも安心するだろう」 「わかりました。じゃあ魚崎くんはスタンバイして」  アルマ先輩からノートを受け取ると、鬼龍院は俺に準備を促す。俺は素直に夏文先輩が立っている隣に移動すると、目の前にある机の上に置いてあるボタンを確認する。音もちゃんと出るし以上はなさそうだった。 「なんだよ、別にいじってないぜ。そんなことすればアルマになにされるかわかったもんじゃないしな」 「いえ、ただ気になっただけです」
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