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大掃除
ある晴れた日の昼下がり。
この日の13班は久々に全員任務も仕事もなく、3人用にしては広い部屋に9人全員集結していた。
本来この部屋はその日その日で任務や訓練を行うメンツが優先的に使い、他のメンツは別室で過ごすのだが、
今日は誰もそういった用事がなく、またこの部屋が一番居心地がいいということで、集まって各々自分の趣味や日課に興じていたのだ。
自分の武器である刀の手入れを終えた13班のリーダー、ユキムラが、部屋を見渡して、一言ぽつり。
「汚いなぁ……」
その言葉を聞いた全員の動きが一瞬止まり、視線がユキムラに集中する。
「どうしたんだい急に?」
右手でダンベルによるトレーニングをしながら二本目のバナナを食べていた副リーダー、ナツミが彼に問いかける。
「……なんか埃っぽい上に、あちこち汚れが目立つんだ」
室内をよく見ると、埃やらゴミやらが所々落ちており、また床や壁にシミや汚れがついている箇所があった。
特に部屋の隅やベッドの下、パソコン机やテーブルの下は見るもたえないほどである。
「そういえば、俺は一度もこの部屋を掃除したことがないな」
「わたしも…任務とかで急いでたり、疲れて帰ってきたりするから気づかなかったのかなぁ……」
「それは言い訳にしかならないよ。まぁ、俺が言えた義理じゃあないけどね」
と発言したのは2軍メンバーのスネーク、マドカ、アツシ。
彼らの言う通り、この部屋を使うのは任務などの忙しいときであるのが基本なので、イマイチ部屋の手入れが行き届かないのだ。
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