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本屋さんに行ってとりあえずはふりーのアルバイト誌をペラペラとめくる。
そして有料のも1冊だけ買って、それからカフェへ。
といっても、節約のためファーストフードの安いお店。
その店内はとても騒がしいのだけど、二人は無言でペラペラとページをめくっていく。
時折話すのは、「これは?」「振込みが翌月になってる」「あ」と、事務的な感じのものばかり。
それを何度か繰り返して、
「あ、これは?」
唯の声にヒナは彼女が指差す文字を目で追う。
「……時給はいいけど」
「しかも短期で現金払い!」
「でも、女の子限定って……」
「大丈夫だって! ほら『商品のアピール』って。そんなヒナが考えてるような変なアルバイトを有料誌に載せたりしないって!」
言われてみればそんな気もする。しかも時給は申し分ないし、
「あたしも一緒にやってあげる」
「え?」
「見つけた責任。ってか、一人だと心細いんでしょ?」
唯がそう言ってくれるから、
「うん!」
ヒナはそう答えた。
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