~夏の泡沫~(番外編)
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一番後部席に座ると、バスは動き出した。 「大君!」 聞こえるはずのない声に、振り向いてしまった。 砂煙にバスを追いかけるまなが霞む。 数メートルで彼女は石に躓き転けてしまった。 大輝は「あっ」と声を上げたが、出来ることは何もなくて。 きっと、膝をすりむいて、泣いているだろう彼女を思って、 大輝は泣いた。
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