鼓動

3/6
前へ
/116ページ
次へ
「今から裏の畑に行くんだ。モナもか?」 トーマスはめんどくさそうに言った。 「もちろん。今の時期ならばカボチャが熟してそうね」 「そうだなー。俺達が食うわけじゃないから興味ないわー!ドラゴンファイターとか政府の人が食うらしいぜ」 「へー。私も食べたいなー」 「んん?いい事思いついた!ちょっとだけ食っちゃおうぜ!1つや2つはバレないさ!」 トーマスは私にいたずらっぽくピースをした。 「馬鹿か。指定された数だけしかないんだからバレるよ」 裏の畑は私とトーマスの家からは遠い。 1000年くらい前の時代は平和で豊かだと本に書いてあった。その時代に行ってみたいなぁと私はつくづく思う。 作物を育てるのは子どもの仕事だ。それしか役にたてないからだろう。 「そーいや、俺達の歳だったら見習い騎士訓練学校に通えるんだよなぁ?」 いきなりのことに驚いた。 「そうだけどもしかしてトーマスドラゴンファイターになりたいの?」 「なりたいっつうか美味いものが食えるから、かな?」 トーマスらしいけどこいつは馬鹿だ。 「馬鹿。そんな安易な理由でやると死ぬよ」
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加