鼓動

4/6
前へ
/116ページ
次へ
「心配してくれるのか?うれしーわ」 トーマスは軽く笑った。 「心配してるけど、やめたほうが」 「俺は政府に恨みがある。お前だってそうだろ?俺の父さんは戦法やらなんたらで家に帰らせてくれない。自分勝手すぎる。」  今までにない決意を決めた顔だった。 「私も政府に恨みがある。トーマスにそんな意志があるなら私は止めない。」 ドゴーン その時、大きな音がした。逃げる大勢の人たちと真逆に走る私達。 現場につくとぎょっとした。鱗がたくさんついていて凛々しい顔つきで羽が付いている。 「ドラ...ゴン?」 すさまじい威力で唸っていた。 上に乗っているのは南洋人? それに対し、北洋の騎士が何人かいる。南洋人がドラゴンに何か言うとドラゴンは口から炎を吐いた。 すると北洋の騎士とそのまわりにいた町人は一気に燃やされた。これじゃあ、南洋人の方が有利だ。トーマスは唖然としている。 トクン その時、私の体の鼓動が高なった。 トクントクン  「うっ...」 「モナ?大丈夫か?」 みるうちに視界がぼやけていく。最後に見たのは1人の北洋人の騎士がドラゴンにむかって走って行く姿だ。お兄ちゃんに見えた。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加