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「心配してくれるのか?うれしーわ」
トーマスは軽く笑った。
「心配してるけど、やめたほうが」
「俺は政府に恨みがある。お前だってそうだろ?俺の父さんは戦法やらなんたらで家に帰らせてくれない。自分勝手すぎる。」
今までにない決意を決めた顔だった。
「私も政府に恨みがある。トーマスにそんな意志があるなら私は止めない。」
ドゴーン
その時、大きな音がした。逃げる大勢の人たちと真逆に走る私達。
現場につくとぎょっとした。鱗がたくさんついていて凛々しい顔つきで羽が付いている。
「ドラ...ゴン?」
すさまじい威力で唸っていた。 上に乗っているのは南洋人? それに対し、北洋の騎士が何人かいる。南洋人がドラゴンに何か言うとドラゴンは口から炎を吐いた。
すると北洋の騎士とそのまわりにいた町人は一気に燃やされた。これじゃあ、南洋人の方が有利だ。トーマスは唖然としている。
トクン
その時、私の体の鼓動が高なった。
トクントクン
「うっ...」
「モナ?大丈夫か?」
みるうちに視界がぼやけていく。最後に見たのは1人の北洋人の騎士がドラゴンにむかって走って行く姿だ。お兄ちゃんに見えた。
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