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正気か、フェシル。もし何かあればお前の腕で敵う相手じゃないぞ。
長、ガリアータはレイリューンを使い物にするのは無理だと言った。
勝手に決めるな!
…反抗期だったのかもしれないな、と。
10年後の彼は照れたようにこぼした。
「で、お前、いつから私を警戒しなくなった?」
「…いつでしたかねーえ」
側近の控え室でアルスから盃を頂きながら、レイリューンの薄い水色の瞳はすっとぼけて横を向く。
「で、お前の笑顔が見たいとか言ったのか、私」
「言いました」
「…覚えてない。寝顔を初めて見たのは覚えてるんだが」
「むしろそっち忘れて下さい」
「題名は何だったか。流行っていた恋物語の本で」
ぎゃー、言うんですかそれー、と机に伏せるのを、セリューナが笑って見ている。
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