笑顔を見せて

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2  正気か、フェシル。もし何かあればお前の腕で敵う相手じゃないぞ。  長、ガリアータはレイリューンを使い物にするのは無理だと言った。  勝手に決めるな!  …反抗期だったのかもしれないな、と。  10年後の彼は照れたようにこぼした。 「で、お前、いつから私を警戒しなくなった?」 「…いつでしたかねーえ」  側近の控え室でアルスから盃を頂きながら、レイリューンの薄い水色の瞳はすっとぼけて横を向く。 「で、お前の笑顔が見たいとか言ったのか、私」 「言いました」 「…覚えてない。寝顔を初めて見たのは覚えてるんだが」 「むしろそっち忘れて下さい」 「題名は何だったか。流行っていた恋物語の本で」  ぎゃー、言うんですかそれー、と机に伏せるのを、セリューナが笑って見ている。
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