始章 8月3日

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「今日はどうしたの?」 屋上からの景色を一緒に見ながら、本当に不思議そうに聞いてくる彼女。 いざ。 言わなければと思うと、それまでの緊張が膨れ上がり、途端に喋れなくなる僕。 「あ、あの…ね、今回、来て、もらったのは…ね」 こんな自分を変えたくて、僕は決断したんだ。 自分の気持ちを、伝えたい。 目の前の彼女と、手を取りあいたい。 カラカラの口をゆっくりと動かして。 僕はずっと伝えたかった言葉を発した。
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