二章 ペン型時航機

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『そう警戒しないでくださいよ。私はタカシ君の味方だ…。力になってあげたいんだよ。』 ニヤニヤと笑う男から発せられた胡散臭い言葉を信用する気には到底なれず、僕の頭は「どうすればみんなを元に戻せるのか」ということでいっぱいだった。 いつも行動を共にし、支えあう存在でありつづけてくれているカズキ。 突然の告白を真っ直ぐに受け止めてくれたリンさん。 口には出さないけれど、僕はこのクラスが大好きなんだ。 「何が目的なんだ」 こんな時こそ冷静に。冷静…冷静…。 自分に言い聞かせて、震える声を必死に抑えつけながら尋ねると。 ニヤニヤ。ニヤニヤ。 『だから言ってるだろう?君の恋の手助けだよ。私の力を使って、ね。』
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