始章 8月3日

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僕がいるのは三階の右端にある、この学校で一番大きな講義室。 夏休みも残り半分を切り、連日の真夏日で汗だくになりながら、今日も講習を受けている。 「じゃあー今日はここまで!お疲れ様ー。」 軽く禿げあがった頭をさげ。やはり暑いらしい。手に持ったうちわを顔に向けて仰ぎながら、先生は職員室に戻っていった。 「うっし!タカシ、帰るべ~!」 僕の名前はタカシだ。特徴と呼べるところはこれといってない。、強いて言うなら、勉強、運動、容姿。どれをとっても平均より少し上、ということだろうか。 講習は一日にいくつか行われ、希望する科目を取ることができる。僕と、目の前にいる男カズキは、今受けた講義で終了だ。 「わり、今日ちょっと用事あるから、先帰っててくれ!後でグローブ持って行くからよ。」
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