始章 8月3日

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僕はまだ早いとは思いながらも、屋上へと歩きだした。 心臓は先程にも増して暴れまくり、屋上へ近付けば近付くほど、緊張で口がカラカラになる。 僕は昔から、極端に緊張に弱く、できるだけ避けてきた。良く言えば慎重で利害を計算できる。悪く言えばただのヘタレ。 そんな僕が、一緒にいたいと思った。 今までに経験したことのない感情に、ここ最近は驚かされてばかりだった。 彼女とは事務的な会話しかしたことがない。 この告白は、賭け、だ。
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