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「なんで」
思いは声になり。
「お前は」
悲しみは涙となって。
「せやけど……俺はまた何一つ守り抜くことはできひんかった」
虚しさは……怒りとなった。
やり場のない後悔だけが募りに募る。
流れゆく時の中で。
人は誰かと出逢い。
誰かと人生を共にする。
出会った人間が自分の人生に影響を与えることは紛れもない事実。
良くも悪くも、その人が自分を変えることとなる。
数え切れない人と出逢う人生の中で。
その中のたかがひとりなのかもしれない。
けれど、そのひとりに大きく影響を受ける結果となることもある。
俺の場合はそうだった。
「ひとつだけ……教えてくれへんか」
もし、全てをやり直すことができ。
全てをまた同じように体験することができたとしよう。
そうなったとき、人は都合の良いことを選択し、悪いことは避けるだろう。
それが当然であり、賢いことだと思う。
しかし俺は……また、同じで良いとさえ思える。
「お前はそれでよかったんか?」
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