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そのやり取りを見て、ポカーンとした表情を見せたのはクラスメイトの男子達だった。
レイラは少しアホの入ったおっとりとした天然記念物ではあるが、クラスメイトの男子にとっては残念ながら、そうならざるを得ないかもしれない事情を理解出来る優しい奴でもあるのだ。
つまりどんな相手でも平等に最初は接しようとする人の鏡でもある。
決してレイラは親の七光りでアイドルになった訳じゃない、その人柄の良さもあって今の立ち位置を築き上げたのだ。
「ちょ、ちょっと待ってよレイラちゃん。そこまで知ってて……どうして?」
「どうしてって何が? ……ところでさっきからアッキーの嫌がる事ばっか言ってる気がするけど。あなた達誰?」
さすがのレイラもさっきの俺に対する嫌がらせで気付いたのか、少し怒った表情に変えてクラスメイトの男子に詰め寄った。
さすがのクラスメイトの男子達も怒っている表情を見せられてたじろいでいる。『嫌われたらどうしよう』とでも考えているのだろう。
それでレイラがクラスメイトの男子達を嫌ったとして、そこからまた恨まれるのは僕なんだからやめてくれよな……。
こういう事になるから学校では話掛けるなって言ったのに……全く。
「そのクラスメイト達は僕の友達だよ。結構仲が良くてね。たまにさっきみたいな事を言って僕を馬鹿にして来るけど……よくある事だよ」
「ふーん……そうなんだ」
そこで、僕がクラスメイトの男子達に助け船を出してやった。
クラスメイトの男子達は予想外の言葉に少し驚いた表情を見せている。
正直、明日からも平和に過ごそうと思えば選択肢はそれしかないはずだ。
「でもでも……! 親しき仲にも礼儀ありだよ! 折角お友達になれたんだったら、もっと仲を深めなきゃ!」
「あ、ああ……気をつけるぜ」
その後、レイラが見ていない所でクラスメイトの男子達が、「お前良い奴じゃん、助かったわ」と礼を述べて来た。
約一名……僕と同じ中学校で今もクラスメイトの男子生徒を除いて。
彼だけは終始、僕を怨めしそうに睨んでいたな。
結果的には良かったかもしれないけど……こんか感じに、レイラ繋がりで私怨を抱かれる事があるから僕は話し掛けて欲しくなかったのだ。
「ねえねえアッキー。さっきの見た目が怖い人達……お友達って言ってたの嘘でしょ?」
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