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色々な生徒から注目を浴びる中、僕達はクラスメイトの男子達と別れ、一階の下駄箱が置かれている玄関に移動した。
「嘘に決まってるだろ。むしろあれを嘘で言っていると見破れない奴はおかしい」
「だよね、だよね! やったー大正解!」
上履きから革靴へと履き替えながら、僕達はそんな会話を交わしていた。
「だってアッキー、昔からああいう見た目の人嫌ってたし、露骨にアッキーの悪口言ってたし……友達の訳ないよねぇ」
「あの場はああでも言っておかないと、明日から面倒な事になるからね……無駄に絡まれたり」
「ふーん……アッキー苦労してるんだね」
一体誰のせいで今回こうなったのか。
「それじゃあ僕帰るから」
「え? え? どうして! 一緒に帰ろうよアッキー!」
「嫌だよ……レイラ目立つし、それにアイドルと二人で一緒に帰ってたなんて色々とまずいだろ」
「えー、私別に問題ないけど?」
「僕が問題あるの! クラスメイト以外の男子からも目をつけられるだろ!」
自分がアイドルだという自覚があるのだろうか?
下手をすれば、この学校以外のレイラファンからも目をつけられる事になる。
そうなったら……僕絶対引き籠るな。
「ちょっとそこのあなた! 待ちなさい!」
その時だった。
靴を履き替え終えて、いざ帰ろうとした時、廊下側から一人の眼鏡をかけた女子生徒がそう声を張り上げてきたのだ。
「身の程を弁えたらどうですか……そこの冴えなさそうなあなた」
あまりにも唐突なその発言に、僕は思わず「はい?」と返事し返してしまう。
話し掛けてきた女子生徒は、ハニーブラウンの髪色。髪はセミロングで左髪を綺麗にまとめて髪留めで止め、今時風のお洒落なのだろうがどこか気品を感じさせている。
顔は鼻筋が通っていて、目は鋭く水色の瞳……美人? なのだがどこかやっぱり気品を感じられる。
身だしなみもしっかり整えてるし……委員長、もしくはお嬢様って言葉がぴったり似合う見た目をしている。
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