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「ちょ、ちょっとレイラさん! 今の話聞いていらっしゃいましたの? そのような方と帰らず私と帰りましょう」
「うん! 今度一緒に帰ろうね!」
「今日ですわ! 私の送迎をしているリムジンがもうすぐ到着するはずですの。それに乗って……」
「アッキー待ってよー!」
「レイラさん!」
これは酷い。話を聞いていないのか、只の天然なのか……さすがレイラ。昔からマイペースなのは変わらないようだ。
「レイラ……さっきの藤崎さんとの話聞いてた?」
「え? 何だか長くなりそうだったから携帯いじってたけど……あ、聞いて聞いてアッキー。お母さん今日ね、入学祝いに豪華なハンバーグ作ってくれるんだって!」
「子供か! 藤崎さんは友達なんだろ? ちゃんと話を聞いてないと駄目だろ!」
僕は保護者か……一々疲れる。
でも今日ハンバーグなんだ。ちょっと羨ましいな。
「ごめんごめん。何の話をしてたの?」
「僕とレイラが一切話さないようにするっていう取り決めだよ」
「あはは、それ無理だよー! だってさっきも我慢できずにアッキーとのメールでの約束破っちゃったし」
こいつ……約束覚えててあえて破ったのかよ。
「だぁぁああああ! もう! 僕は一人で帰るから!」
「あ、アッキー待ってよ! アッキーと久しぶりに喋りたい事いっぱいあるのに~」
「れ、レイラさん! どこに行かれるのですか!」
話にきりがつかないため、僕は逃げるようにその場から疾走し、校門を出て外へと出た。
追いつかれないように簡単な身体能力強化の魔法を使ったので、レイラを容易く振り切る事が出来た。
「……こ、ここまでくればもう大丈夫だろう」
「アッキー大丈夫? 汗出てるけど……お水飲む? 私が飲んだ後のだけど」
「……っつ!?」
校門から出て、近くにある街に入る付近まで走って振り切ったはずなのに、まるで当たり前かのようにレイラがそう言って話掛けて来た。
「な、なんでレイラがここに!? 振り切ったはずだろ?」
「ふふ……残念でした! パパ直伝の瞬動術からは逃げられないのだー!」
「しゅ……瞬動術って……いつ覚えたんだよ」
「え? 入学する前にだよ。これから色々危険があるかも知れないからってパパが。気……とか言うのも一緒に教えてもらったけど覚えるのは簡単だったよー」
TISUZIワロタ。
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