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「も……もしもさっきの攻撃が本当にあいつの仕業だとしたら……ぶ、ぶひいっぃいいいい! や、やばいですよリーダー! あんな攻撃力を持って更に三十回も変身を残してるなんて俺達に勝ち目なんてッめごっぽ!?」
くそ……一人頭の悪そうな奴が釣れたんで、もしかしたらいけるとか思ったけど駄目だ。
たった今、あまりにもうるさすぎて味方のタトゥーギャングの連中に気絶させられた。
「っで? 本当の所はどうやってあの廃棄ビルにぽっかりと穴を空けたんだ?」
「えっと……それは、その」
「だんまりかよ……まあいいけどな? 喋らねえのなら喋らせるまでだ」
そう言うとタトゥーギャングのリーダーは、警戒してか少し距離を取ってフレイムスピアを僕に向かって放って来た。
避けようと思えば避けれたが、それは僕が全力を出したらの話で、通常時の僕に避けれる訳がなく見事に命中してしまう。
「……効いてねえだと? どうやら何かありそうだなお前。一体どうやって今俺の魔法を防いだ?」
「えっと……その、あれです。はい」
「答える気はねえってか? それとも自分の意志ではどうこう出来ねえってか?」
この人……するどいな。
どうやら本当に無効化するのは魔法だけのようで、魔力量がそのまま魔法を防ぐ盾になる魔法障壁は無効化されないようだ。
魔力量が異常に高いおかげで、フレイムスピアが全く僕には通じなかった。
というより……スキルの発動者は自由に魔法を使えるとか、ますますせこくないこのスキル?
「案外、さっきの爆発もお前が本当にやったのかもな?」
そう言うとタトゥーギャングのリーダーは、指をパキポキと鳴らしながら僕のいる方へと歩いてきた。
「リーダー! 近付きすぎると危険だぜ、こいつ何を隠してるかわかんねえ」
「わかってるよ馬鹿。でもな……何か隠してはいるんだろうが……すぐ使って来ねえって事は今は使えねえって訳だ」
まずい、どうやら少し頭の回転が良いリーダーみたいだ。
「魔法がダメなら……直接殴るのはどうだ? おらぁぁあ!」
「……っ!?」
僕の腹部に強烈な衝撃が走る。
気を使ってガードはしていたはずだが……駄目だ、こいつ、身体能力を魔法で強化して殴ってきたみたいだ。
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