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車内に居る3人の人間は自動車を出発させてからまだ言葉を発しない。
変化があるとすれば、秋と手を繋いだことぐらいか。
窓から見える景色は見慣れたものとあって、高級車から見ても面白みはない。
何処に行っているのかは知らないが、俺の家の方向に向かっているみたいである。
「そういえばリュウ。
愛歌を覚えておるか?」
俺の手を握る手をニギニギを力を込めたり、抜いたりして遊んでいた秋が聞いてきた。
メイド、メイド。
メイドさんに覚えがあるとしたら、1つだけ。
10年前のあの日に秋を迎えに来たメイドさんだけだ。
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