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「では、改めまして。
私は秋様に仕えております神代 愛歌と申します」
バックミラー越しに俺と目を合わせながら、神代さんというメイドは自己紹介をした。
勿論だが、ずっと俺と目が合っていたわけではない。
車の運転中であるので、前方はきちんと確認しているようだ。
「どうぞ、愛歌とお呼びください。竜樹様」
「は、はい!
よろしくお願いします!
あ、愛歌さん」
動揺したのは様付けで呼ばれたことでも名前で呼ぶように言われたことでも無い。
それらにも少しは動揺したが、いきなり現れたその上品な笑顔にだ。
何しろ無表情からの笑顔だったからな。
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