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「盗っちまうか…」
自分の欲望のまま呟いてみて思う。
ソウに手を出さない、というのは自分達の中では暗黙の了解だった筈だ。
土方はそれを破った。
例え理由があったにせよ。
ビュッと一つ強い風が頬を撫ぜる。
秋も深まり、日差しも穏やかになってきた近頃。
しかし…
この日、京へは一つの大きな台風が近付いていた。
夕刻になる頃には一気に空は厚い雲に覆われ、屯所内は台風への対策に追われていた。
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