朝は短し走れよ乙女

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 ワタシは、ボッサボサのショートヘアをなんとかするのをさっくり諦めて、ヨレヨレのTシャツにパンツのままでリビングへ。あらら、また浮かんじゃってる。 「あらあら? おはようございます、今日はずいぶんと早起きさんね、ソミナ?」  ママの楽しそうな後ろ姿。ちっちゃなキッチンは、料理が苦手なママのおかげで盛大にサイケデリックになっちゃってる。そのミサイルランチャーは何の下味に使ったの? 「おはよー。まあ、どっちにしろ遅刻だけどねー」 「あらあら、それは大変ねー?」  ママがふわりんッと振り返る。元々白かったはずの甘ったるいマーブル模様のエプロンが、リンゴの皮とベニテングダケと、それに、ブルーベリー味のポップコーンと鯖と一緒にキッチンを舞う。 「ワタシね、ちょっと急いでるんだー。だから、ワタシが着替えてる間にイチゴジャム塗った食パンお願いね」 「オッケー、ついでにモテカワ愛されエフェクトも足しとくねー」 「ワタシのちっちゃなお口にくわえて、時速120キロメートルでダッシュ出来る範囲でお願い致します」
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