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あ、クレープ美味しい。
ソフトクリームと迷ったけど、今日は苺のクレープ、生クリーム増し増しにしてみた。たまにはカロリーなんかを気にせず、豪勢にいかないとね
…うん、大丈夫。今日は歩いたから相殺って事で
「うん?」
ふと、振り向いてみる。商店街のアーケードは、買い物帰りの主婦や学生、スーツ姿のサラリーマンなんかもいて、そこそこ賑わっていた
?何で私は振り向いたんだろう?ま、いいや
小首をかしげてから、クレープを ぱくつき、歩き出す。この時は気付かなかったけど、〝あの人〟からの視線を感じてたんだと思う
そして私は近くの公園に寄り、残りのクレープをゆっくりと食べながらぼーっと景色を眺めていた
公園には小さな男の子と女の子が駆け回って遊んでいた
あ、男の子が転んだ。女の子が心配そうに覗き込むと、男の子は涙目になりながらもぐっと堪えて立ち上がる
よし。強いぞ男の子
浮かしかけていた腰を降ろし、幼い2人の微笑ましい やりとりを眺めて時間を過ごした
「ん……さて、と」
陽が傾いてきた。肌寒くなってきたし、帰ろうかな
そんな事を考えつつベンチから立ち上がり、公園の入口に向かう
「あ、あのっ!」
「?」
その矢先に突然声を掛けられた。振り向くと、そこに立っていたのは、スーツ姿の年上のお兄さん
「えーと」
一応周りを見渡し、辺りを確認する。何時の間にか、公園には私とこの人だけになっていた
見覚えが無い人だけど……何だろう?
「あのっですね」
お兄さんは随分と緊張してるみたい
顔を真っ赤にし、汗までかいて鯱ばりながら、つっかえつっかえ喋り出す
ちょっと面白いかもしれない
どんな言葉が飛び出てくるか、ワクワクしながら待ってみる
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