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その時点で酔いはまわっていたのだろうが、瑞穂は店の新しい雰囲気を感じつつゆっくり一杯を味わっていた。
その後、他の客からどうぞとお祝いされること3杯。
「あー、やばいかなあ」
口からポツンと独り言がこぼれ落ちた。
アルコールには滅法強い瑞穂だが、限界ギリギリのところまできたのか心臓を打ち込むスピードがあがったのを感じとっていた。
ちゃんと歩けるか瑞穂自身心配になり、再びお手洗いに立ち確認なんてしちゃうのは、いかにもしっかり者の瑞穂がしそうなことだ。
第一そういう思考があれば大丈夫なのだが、アルコールで判断が鈍っていた。
こういうところ、元カレ曰く生真面目なところが原因で振られたことを鏡の前で思い出し酔って真っ赤な顔を見ながら苦笑した。
「ケンさん、今日はありがとう。思いがけず嬉しかったです」
瑞穂がニッコリ微笑むと、ケンもまた同様に微笑み返した。
「結局、こんな時間かぁ。ごめんね」
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