379人が本棚に入れています
本棚に追加
「タクシーまでは俺が手伝うから部屋まではタクシーの運ちゃんに頼んで運んでもらってね」
そんなに起きないものかと不思議に思ったが、むやみに起こした挙げ句、泊まりを拒否されてもまた莫大なタクシー代になると頭を痛め、瑞穂はそっとしておくことを選択した。
ケンの強引な話ですっかり酔いも醒めれば、一刻も早く寝たいと睡魔が襲ってくる。
そうなると、もう、リョウの家に早く移動したいとケンに頼みタクシーを呼んでもらった。
「ケンさん、いつもより飲んでるのに少なくないですか?」
「あぁ、お客さんからの奢りあるし、あとは、リョウにつけてあるから大丈夫だよ」
「え?!リョウさんに?!いくらなんでも、それは……」
「イイ女は、黙ってても奢りたくなる。瑞穂ちゃんなら、男がほって置かないよ。男を立ててくれると嬉しいけどね」
「ありがとうございます。ご馳走様でした」
納得したわけじゃないが、先程の強引なケンを見たらこう言うのが正解だろうと瑞穂は、頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!