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「タクシーまでは俺が手伝うから部屋まではタクシーの運ちゃんに頼んで運んでもらってね」 そんなに起きないものかと不思議に思ったが、むやみに起こした挙げ句、泊まりを拒否されてもまた莫大なタクシー代になると頭を痛め、瑞穂はそっとしておくことを選択した。 ケンの強引な話ですっかり酔いも醒めれば、一刻も早く寝たいと睡魔が襲ってくる。 そうなると、もう、リョウの家に早く移動したいとケンに頼みタクシーを呼んでもらった。 「ケンさん、いつもより飲んでるのに少なくないですか?」 「あぁ、お客さんからの奢りあるし、あとは、リョウにつけてあるから大丈夫だよ」 「え?!リョウさんに?!いくらなんでも、それは……」 「イイ女は、黙ってても奢りたくなる。瑞穂ちゃんなら、男がほって置かないよ。男を立ててくれると嬉しいけどね」 「ありがとうございます。ご馳走様でした」 納得したわけじゃないが、先程の強引なケンを見たらこう言うのが正解だろうと瑞穂は、頭を下げた。
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