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「ハハ。喜んでくれた?」 「はい。すごく!」 ケン特製のカクテルに瑞穂は、心を踊らせ明るく饒舌になる。 そんな瑞穂をジッと見つめるケンは、普段客に無関心なのだが、珍しく可愛いと感じていた。 その瑞穂の頬が熱を帯びるのは、アルコールのせいだけではない。 ケンの視線にドキッと胸が高鳴り、思いがけないプレゼントに心が温かくなったのだ。 「それはよかった。もう一つのプレゼントは、気づいた?」 「もう一つ?」 熱っぽくなった頬を隠すように俯き、ピンク色のカクテルを眺めた。 「いつもならもう少し早い時期に照明もミュージックも変更するんだ」 「え?じゃあ、これも私の為に?」 驚く瑞穂に、ケンはニコッと微笑み頷いて答えた。 「わぁ、嬉しい!」 「喜んでもらえてよかったよ。もうすぐ冬だからね、毎年この時期に、温かく感じてもらえるように変更しているんだ」
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