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「あッ、瑞穂ちゃん!紹介遅れたけれど、コイツ俺の高校ン時のツレ。リョウって言うの」 「リョウさん。素敵な名前ですね」 多少のお世辞もあるが、チラリとこちらを見た男の涼しげな目元が、瑞穂にはピッタリだと思えたのだ。 「あー、瑞穂ちゃん、コイツを褒めても無駄だよ。基本的に無口つうかクールを装っているというか、すかした野郎だから」 ケンの言葉に瑞穂はアルコールも手伝ってクスクスと笑った。 こんなに言われても、涼しげな顔をしてケンに反論しない。その上、まだ瑞穂と一言も会話していないことがツボに嵌まったらしい。 「適当なことぬかしてんな!」 ケンを睨みつけてから瑞穂に向き直ったリョウは、瑞穂を見て僅かだが口角をあげた。 「HAPPY BIRTHDAY!」 スピーカーの横にあるオシャレな時計を確認すれば、時計の針はピッタリと重なり合っていた。 「あ、本当だ。おめでとう瑞穂ちゃん」 ニコリと微笑むケンと、既に瑞穂から視線を外したリョウ。
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