第1章の続き

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 「褒めてるんだぜ。俺は巨乳でゴツいのは嫌いなんだ」  私の心を読み取ったかの様に片桐が言った。  「性格の方もな。信用したんだ。裏切るなよ」  鰐の目がチラリと助手席の私を見た。  勝手に信用などしないで欲しい。  「顔は写真で見ていたが、中身は会ってみなきゃわからねぇからな。体も性格も」  写真?  片桐との間で共通の知人は市井しか思い当たらない。  市井がどこからか手に入れた写真を事前に見せていたというのか。  15万円の代わりになる女がどんな人間だか、当然それを前もって知ろうとするだろう。  あの時市井が私に条件を提示した日、私はその場で即決した。  ということは、私の知らないところで写真が用意され、市井は私の前に突然現れるよりも前に、私の体型や性格までをも的確に片桐に伝えていたことになる。
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