第1章の続き

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 それでも会えない客のところへは土日に訪問するが、余り早くても嫌がられるし、そうかと言ってのんびり構えていると、終日外出されてしまうことも多々ある。  契約時に電話番号の記載が有れば、当然連絡を試みるし、ドアにメモを挟んだりもするが、それでもすんなりと集金出来る訳ではない。  せっかく会っても、金欠を理由に支払わない客もいる。  こうした顧客の生活習慣や事情を把握してしまえば無駄足が減り、その分集金が楽になるのだが、それにはやはり自分の専属区域が有って長く担当する必要がある。  そして自身の給料日には、多かれ少なかれどの専業も、集金率95%を無理矢理達成する為に客の新聞代を立て替える。  領収書は左3分の1が控えとなり、販売所に入金と共に提出する。  切りとり線を堺にした残り3分の2の右側が客に渡す領収書だ。
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