第1章の続き

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 従って、立て替える金額と、それによって得る手当云々の関係は、その月だけで考える訳にはゆかない。  結局のところ、無理矢理95%を達成する為に客の新聞代を立て替えるという行為は、殆どの専業が行っているという実態なのだ。  2ヶ月、3ヶ月と立て替えが溜まると、集金担当者としては新聞を止めたくなるが、日々部数アップのことしか頭にない販売所としてはなかなかそれを許してはくれない。  新聞を止めた場合、契約時に受け取ったカード料を契約者が販売所に返還するという事態が発生する。  契約者と集金担当者が同じ場合はまだしも、それが異なる場合、「お前の契約に無理があったのだ」「いや、お前の集金が生ぬるいからだ」などといった専業同士の揉め事の元にもなるのだ。  更に、契約者が外部からの拡張専門員だった場合、カード料を返還させることが不可能という事態も多々有り、それも販売所が新聞を止めることをなかなか許さない理由の一つだ。
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