第1章の続き

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 この4月に18歳になったのを期に自動車免許を取り、中古のオデッセイを買った。  その目標が有ったからこそ、性に合わない営業を頑張れたと言っても良い。  それまでに貯めた金は、免許と車で使い果たした。  時期を同じくして幹部に昇格したことで、かえって金回りが悪くなったというのが現状だ。  給料の総額が下がっただけでなく、空き時間が増えたことで、こうしてパチンコ屋に出入りするようになったことも要因の一つだ。  ならばと奮起し、販売所の意向通りにカードを上げて稼げるのならば良いのだが、元々過大評価なのだから、初めて顔を合わせる客からポンポンとカードを上げる実力など持ち合わせていない。  当然4月の拡張成績はガクンと落ちた。  この5月も月末が近づいているが、全くといっても良いほどにカードは上がっていない。  大めに見て貰えるのもせいぜい2,3ヶ月のうちだけだろう。  それを過ぎると経営陣からはっぱを掛けられるに違いない。  それでも駄目なら降格されて平専業にでも戻されるのだろうか。  それならそれでも良いと思っている。  何か悪さをした訳ではないのだから。  配達、拡張以外の重要な業務に、集金がある。  今どき、各種料金の支払いにクレジットカードや口座振替は当たり前の世の中だが、新聞代もご多分に漏れず対応している。  にも関わらず、客の9割強が直接訪問での集金を望み、販売所側もそれを推奨している。  集金時に客から歓迎されていると感じることは無いに等しいのだが、一体どういう訳だろうか。
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