第1章の続き

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 販売所は専業に苦労させる分、集金手当を給与に付けなければならない。  クレジットカードや口座振替の方が、人件費が掛からない分儲かるのではないのだろうか。  拡材と同じく不思議なことの一つだ。  その集金の額は1区域当たり、月に200万円近くに上る。  毎月25日を過ぎると、集金に出ている各自のつり銭バッグの中には常に大金が入っていることになる。  つり銭は、千円札と小銭を合わせて4万円分が販売所から貸し出される。  しかしそれを第2の給料日と勘違いしている輩が殆どで、つり銭を返すことはなく、給料日に天引きという形で精算するのがその者達にとって当たり前になっているのである。  そして常に肩から下げている集金バッグの中から、飲み食いをしたりパチンコ屋通いをしているうちに、つり銭の額を超えた金額を使ってしまうことも当たり前のように起こる。  いわゆる使い込みだ。
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