第1話

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教室に戻るとクラスメイトの東 ゆきちゃんが、待っててくれていた 「恭ちゃん。終わった?」 「あ。待たせちゃって、ごめん。終わった…はははっ」 乾いた笑いが出る ゆきちゃんは「そっか。じゃ、帰ろうか?」っとにっこり微笑んでくれた 私が、同性の女の子から告白されて、困っていることを理解してくれる唯一の友達だ そして、私と違ってかわいい… 黒くてサラサラの長い髪 肌も透けるように白い 睫毛も長くて、琥珀色に近い瞳が綺麗だ 隣にいて、自分の女子力の無さに悲しくなるくらい 帰り道、ゆきちゃんに愚痴を零した 「小学生の頃は、まったく気にならなかったけど…まさか、中学から女の子に告白されるとは思ってもなかったよ…」 自分が女の子として見られていない現実に多少ショックを受けた 「恭ちゃんやさしいし、みんな憧れるんだよ」 ゆきちゃんの言葉に、癒される 「そうかな?私は、ゆきちゃんみたいになりたいなぁ…」 隣を歩くゆきちゃんは、恥ずかしそうに頬を赤くした (かわいいなぁ…男は、こいうのに落ちるのかな?私にはできないなぁ…) 見つめすぎたせいで、ゆきちゃんは更に顔を赤くした 「あ、危ないよ」 車道側を歩いていた私を引っ張る その瞬間、スピードを落とさず車が走り抜ける ゆきちゃんとちょっとだけ体が近づく シャンプーの甘い香りがする 「私は、恭ちゃんみたいになりたいって思ってるよ…」 そう呟く、ゆきちゃんはちょっと寂しそうな顔をしていた
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