0人が本棚に入れています
本棚に追加
教室に戻るとクラスメイトの東 ゆきちゃんが、待っててくれていた
「恭ちゃん。終わった?」
「あ。待たせちゃって、ごめん。終わった…はははっ」
乾いた笑いが出る
ゆきちゃんは「そっか。じゃ、帰ろうか?」っとにっこり微笑んでくれた
私が、同性の女の子から告白されて、困っていることを理解してくれる唯一の友達だ
そして、私と違ってかわいい…
黒くてサラサラの長い髪
肌も透けるように白い
睫毛も長くて、琥珀色に近い瞳が綺麗だ
隣にいて、自分の女子力の無さに悲しくなるくらい
帰り道、ゆきちゃんに愚痴を零した
「小学生の頃は、まったく気にならなかったけど…まさか、中学から女の子に告白されるとは思ってもなかったよ…」
自分が女の子として見られていない現実に多少ショックを受けた
「恭ちゃんやさしいし、みんな憧れるんだよ」
ゆきちゃんの言葉に、癒される
「そうかな?私は、ゆきちゃんみたいになりたいなぁ…」
隣を歩くゆきちゃんは、恥ずかしそうに頬を赤くした
(かわいいなぁ…男は、こいうのに落ちるのかな?私にはできないなぁ…)
見つめすぎたせいで、ゆきちゃんは更に顔を赤くした
「あ、危ないよ」
車道側を歩いていた私を引っ張る
その瞬間、スピードを落とさず車が走り抜ける
ゆきちゃんとちょっとだけ体が近づく
シャンプーの甘い香りがする
「私は、恭ちゃんみたいになりたいって思ってるよ…」
そう呟く、ゆきちゃんはちょっと寂しそうな顔をしていた
最初のコメントを投稿しよう!