0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こっちに引っ越してきて心配だったけど、ゆきちゃんと仲良く出来てよかった」
伸びをしながら、しみじみ呟く
ゆきちゃんは「え!?」っとびっくりしている
外見は全く正反対だけど、一緒にいるのが居心地いい
「ゆきちゃんの前なら素でいられるし…。女の子らしくとか、男の子らしいっていうんじゃなくて、自分らしくいられる」
無理して女の子にならなくてもいい…
「前の学校に気を使わない友達いたんだけど、ちょっと違うんだよね…。前の学校の友達は…、見た目女の子だけど、性格私と同じだったからな…」
性格全く違うのに、謎の居心地の良さ…
ゆきちゃんが理解してくれてるからかな?
「素でいられるかぁ…私も…」
ゆきちゃんが悲しそうな表情を一瞬したような気がした
「本当はね…」
ゆきちゃんが何か言いかけたときだった
「あら。ゆき、学校のお友達?」
見知らぬ女性がゆきちゃんに声を掛けてきた
気付けば、そこはゆきちゃんの家の前だった
「あ、月子さん…」
ゆきちゃんは、強張った表情をして
「恭ちゃん、また明日」
っと慌てた様に、振り返ることもなく大きな屋敷へと入って行った
ゆきちゃんの家は、和風の白い大きな塀に囲まれたお屋敷だ
「ばいばい」
っと手を振ってから、その白い塀を見上げる
「ゆきをよろしくお願いします」
月子さんと呼ばれた女性が、ぺこりと頭を下げた
目元がゆきちゃんに似ている
(おばさんとかかな?)
「あ、はい。」
慌てて、私もぺこりと頭を下げた
そいえば、ゆきちゃんの家ってここらの名家なんだけ?
「あ、やべ。今日は、空手の日だった」
家に一度寄って、軽く食事を済ませて、急いで家を出た
引っ越したので、空手は辞めようかと思ったけど、週一隣町まで通うことにした
最初のコメントを投稿しよう!