第1話

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「こっちに引っ越してきて心配だったけど、ゆきちゃんと仲良く出来てよかった」 伸びをしながら、しみじみ呟く ゆきちゃんは「え!?」っとびっくりしている 外見は全く正反対だけど、一緒にいるのが居心地いい 「ゆきちゃんの前なら素でいられるし…。女の子らしくとか、男の子らしいっていうんじゃなくて、自分らしくいられる」 無理して女の子にならなくてもいい… 「前の学校に気を使わない友達いたんだけど、ちょっと違うんだよね…。前の学校の友達は…、見た目女の子だけど、性格私と同じだったからな…」 性格全く違うのに、謎の居心地の良さ… ゆきちゃんが理解してくれてるからかな? 「素でいられるかぁ…私も…」 ゆきちゃんが悲しそうな表情を一瞬したような気がした 「本当はね…」 ゆきちゃんが何か言いかけたときだった 「あら。ゆき、学校のお友達?」 見知らぬ女性がゆきちゃんに声を掛けてきた 気付けば、そこはゆきちゃんの家の前だった 「あ、月子さん…」 ゆきちゃんは、強張った表情をして 「恭ちゃん、また明日」 っと慌てた様に、振り返ることもなく大きな屋敷へと入って行った ゆきちゃんの家は、和風の白い大きな塀に囲まれたお屋敷だ 「ばいばい」 っと手を振ってから、その白い塀を見上げる 「ゆきをよろしくお願いします」 月子さんと呼ばれた女性が、ぺこりと頭を下げた 目元がゆきちゃんに似ている (おばさんとかかな?) 「あ、はい。」 慌てて、私もぺこりと頭を下げた そいえば、ゆきちゃんの家ってここらの名家なんだけ? 「あ、やべ。今日は、空手の日だった」 家に一度寄って、軽く食事を済ませて、急いで家を出た 引っ越したので、空手は辞めようかと思ったけど、週一隣町まで通うことにした
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