第1話

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「恭、向こうの生活なれた?」 頭をくしゃくしゃにされる 今日は、空手の先生が休みで、代理に息子である高校生のタクミさんが来ている 「友達も出来ましたよ」 小さい頃から知っているので、私の人見知りを心配してくれているのかもしれない 「そっか、彼氏は?」 私をからかいたいだけだったようだ 「…女の子にしか持てませんねぇ…」 自嘲気味に答える 「…そうか。ドンマイ」 何故か、右の親指をぐっと立てている いらついたので、不意打ちで足を蹴ってやった 「で、美月には彼氏でき…」 たんですか?まで言わせてもらえなかった 美月は、私の友達でタクミさんの妹だ 「美月には、まだまだ彼氏はいらーーーーん」 相変わらずシスコンだ 美月もよく零していた 『シスコンでうるさい。仕方ないから、タクミの前だけでは猫被ってるんだ』 確かに猫被ったな… 私と同じ様な性格だったけど、タクミがいるときだけは、にっこり笑って遠ざけていた (美月…ドンマイ。)
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