0人が本棚に入れています
本棚に追加
「恭、向こうの生活なれた?」
頭をくしゃくしゃにされる
今日は、空手の先生が休みで、代理に息子である高校生のタクミさんが来ている
「友達も出来ましたよ」
小さい頃から知っているので、私の人見知りを心配してくれているのかもしれない
「そっか、彼氏は?」
私をからかいたいだけだったようだ
「…女の子にしか持てませんねぇ…」
自嘲気味に答える
「…そうか。ドンマイ」
何故か、右の親指をぐっと立てている
いらついたので、不意打ちで足を蹴ってやった
「で、美月には彼氏でき…」
たんですか?まで言わせてもらえなかった
美月は、私の友達でタクミさんの妹だ
「美月には、まだまだ彼氏はいらーーーーん」
相変わらずシスコンだ
美月もよく零していた
『シスコンでうるさい。仕方ないから、タクミの前だけでは猫被ってるんだ』
確かに猫被ったな…
私と同じ様な性格だったけど、タクミがいるときだけは、にっこり笑って遠ざけていた
(美月…ドンマイ。)
最初のコメントを投稿しよう!