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幾人もの有名音楽家を送り出し、今もそんな音楽家の卵を産み出している高校。
井歌詩高校。
この物語はそんな井歌詩高の文化祭前夜から始まった。
「え~、てなわけで明日からアマチュア無線部が一番忙しくなる文化祭でーす。」
井歌詩高校の理科室。
文化祭の為に一先ず物置とされているその部屋。小学生位はあるスピーカーや複雑すぎるコードに囲まれたの真ん中で
死んだ魚のような目をした白衣の小学生、
黒端(くろはし)は覇気のない言葉でそういった。
ちなみに小学生というのは比喩で実際は結婚的年期を過ぎたただの理科教師である。
「まあ、この学校音楽が盛んですからね。
ライヴの音響には特に力を入れないと澪田さんに殺されますし。」
黒端の問いに答えたのはエキゾチックな服を着た褐色の肌の男子学生だった。
「それに…私達が頑張らないとリョウ君に迷惑かかっちゃうし。」
それに付け加えたのは作業用のツナギを着た女学生…
という建前をもつ男子学生だった。
理科室にあるのはそんな三人の姿と大きな音響設備だけである。
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