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「回しますか、
回しませんか…か。
伏見ちゃん、ライヴ会場に回転装置でもつけたの?」
回転する椅子に座る伏見の後ろで東江場が呟く。
「あれじゃね、
最近流行りの
ウィルス付きチェーンメールじゃね?」
教師のはずの黒端は、
軽い調子でそういうと
東江場の横で油まみれの手をなめた。
「えっと回転装置なんて付けてないし、
第一今パソコンをネットに繋げてません。
…何でしょうか、これ。」
「まあいいや。
こういうのはきっと…」
頭をかく伏見の横から黒端が手を伸ばすと…
汚れた手でマウスをつかみ“回します”をクリックした。
「何してるんですか先生!!」
「けっけっけ、
もしかするとこれ、
“神様がアタシらに何か選ばせた”んじゃね?
世界を変える的な!!
アタシ無心論者だけどね!!」
「先生…ラノベの読みすぎです。」
ケラケラと笑う黒端に
飽きれ顔を見せる伏見。
黒端が回しますをクリックするとそんな些細な異変はなかったかのようにパソコンはもとの画面に戻った。
そう
“場違いな程にイカれた奴等がこの世界に呼ばれた”
そんな些細なことしか起きなかったのだから。
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